RLlib: 業界標準の強化学習
はじめに
RLlibは、強化学習(RL)のためのオープンソースライブラリであり、産業レベルの高分散RLワークロードをサポートしながら、さまざまな業界アプリケーション向けに統一されたシンプルなAPIを提供します。RLlibを使用すれば、マルチエージェント設定でエージェントをトレーニングしたり、オフラインデータセットから学習したり、外部シミュレーターを使用したりすることができます。
最新機能
Ray 2.10.0では、RLlibの「新しいAPIスタック」のアルファ版が導入されました。これにより、アルゴリズム、サンプルスクリプト、ドキュメントが新しいコードベースに移行され、古いAPIスタック(例:ModelV2、Policy、RolloutWorker)が段階的に置き換えられます。
RLlibの特徴
- 高分散学習: RLlibのアルゴリズム(PPOやIMPALAなど)は、num_env_runners設定パラメータを設定することで、100台以上のCPU/ノードでワークロードを実行し、学習を並列化して加速します。
- マルチエージェントRL: カスタムgym.Envを数ステップでマルチエージェントに変換し、エージェントをトレーニングできます。
- 外部シミュレーター: Pythonでgym.Envとしてシミュレーションを実行していなくても、RLlibは外部環境APIをサポートし、クライアント/サーバーセットアップを提供します。
- オフラインRLと模倣学習: 特定の問題に対するシミュレーターがない場合でも、歴史的データを使用して学習できます。
基本的な使用法
RLlibを使用するための基本的な手順は以下の通りです。
- 環境の設定: 環境を設定し、トレーニングパラメータを定義します。
- アルゴリズムの構築: アルゴリズムを構築し、トレーニングを実行します。
- 評価: トレーニングしたアルゴリズムを評価します。
以下は、TaxiドメインでPPOアルゴリズムを実行する例です。
from ray.rllib.algorithms.ppo import PPOConfig
config = (
PPOConfig()
.environment("Taxi-v3")
.env_runners(num_env_runners=2)
.framework("torch")
.training(model={"fcnet_hiddens": [64, 64]})
.evaluation(evaluation_num_env_runners=1)
)
algo = config.build()
for _ in range(5):
print(algo.train())
algo.evaluate()
競合製品との比較
RLlibは、他の強化学習ライブラリと比較して、特に高分散学習とマルチエージェント設定において優れた機能を提供します。例えば、OpenAIのGymやStable Baselinesと比較して、RLlibはより多くのカスタマイズオプションと拡張性を持っています。
よくある質問
- RLlibはどのような環境をサポートしていますか? RLlibはFarama FoundationのGymnasiumやPetting Zooなど、さまざまな環境をサポートしています。
- どのようにインストールしますか?
pip install "ray[rllib]" tensorflow torch
結論
RLlibは、強化学習を実装するための強力なツールであり、特に産業用途においてその真価を発揮します。ぜひ、RLlibを試してみてください!